TIG-RIZ Logo

TIG-RIZ

VISIA肌診断機のデータ活用に感じた課題と改善アイデア

更新日時:2025-06-26 投稿日時:2025-06-20

美容クリニックで肌診断機「VISIA」を活用している中で、一つ気になった点がある。

それは「時系列データの確認方法」についてだ。

VISIAデータの閲覧が“専用ツール”に依存している現状

VISIAで撮影した肌画像や診断データは、基本的にVISIA専用ソフト上でしか閲覧できない仕組みになっている。これにより、以下のような場面で不便を感じることがあった。

  • 過去データを振り返りたいとき、すべての画像を並べて比較できない
  • データ表示が折れ線グラフのみで、視覚的に“肌の変化”が一目でわかりにくい
  • 診断データのCSV出力やクラウドへのエクスポートが不可
  • 複数端末や他スタッフとの情報共有が困難

特に「肌変化を時系列で並べて見る」ことができない点は、施術効果の確認や患者説明の場面で改善の余地を感じた。

理想的なVISIAデータ管理とは?

もし、以下のような仕組みがあれば、もっと活用の幅が広がると感じる。

  • クラウド管理による複数端末・スタッフでの情報共有
  • 撮影データの時系列一覧表示(折れ線グラフ+写真比較がワンビューで確認可能)
  • CSV形式やJSON形式でのデータ出力(分析用)
  • 患者自身がスマートフォン等で結果を見られる「マイページ機能」

これらが実現できれば、施術前後の効果説明・継続施術の提案・データ分析による改善施策の立案がよりスムーズになるはずだ。

PythonでのVISIAデータ管理ツール開発は可能か?

技術的にはPythonを使って、GUI操作でVISIAの画像と診断データを時系列で視覚的に比較できるツールを作成することは可能だ。Pythonのライブラリを活用すれば、

  • 画像ファイルの管理・並列表示
  • データの折れ線グラフ化
  • CSVやExcel形式でのデータ出力

なども実装できる。

ただし、現在のVISIAデータはメーカー専用フォーマットで管理されているため、データの抽出や連携には制限が多い。さらに、医療機器としての安全性や正確性を保証するため、ユーザー側での改変や自作ツールの運用は慎重になる必要がある。

そのため、VISIAを開発したメーカー側がこうした「時系列データのクラウド管理や視覚的比較機能」を正式に実装して提供することが、ユーザーニーズを満たす上で最も望ましい解決策と言える。

なぜ「時系列での視覚的比較」が重要なのか?

患者への説得力の向上
施術の効果を画像と数値でセットで見せることで、納得感や満足度が上がる。

スタッフ間での情報共有
複数人のカウンセラー・施術者が関与する場合も、一目で患者の肌状態の推移がわかる。

マーケティング・施術提案への活用
施術内容と効果データを組み合わせて分析できれば、クリニック全体の提案精度も上がる。

今後に期待すること

現状、VISIAのデータ管理はローカルPCでの閉じた運用が前提となっているが、クラウド化・データ可視化の進化により、より高いレベルでの活用が可能になることを期待したい。

もし個人でもこうした管理ツールが開発できれば、VISIA活用の幅が大きく広がるだろうが、やはり製作者側が公式に開発・提供することが業界全体の標準化・利便性向上につながる。

まとめ

VISIAは肌状態を可視化する優れた機器である一方、そのデータ活用方法には改善の余地があると感じた。時系列データを画像と数値の両面から直感的に確認でき、クラウドでのデータ共有が実現すれば、施術効果の説明やマーケティング活用がさらに効率的になるだろう。

また、Pythonによる自作の時系列管理ツール開発は技術的には可能だが、メーカーによる公式機能の拡充がユーザーのニーズを満たす上で最も望ましいと考える。

VISIAをさらに有効活用するための技術的アプローチや今後のアップデートに期待したい。